「Taking Sides」と「どちらの側に立つか」 フルトヴェングラー・センター レクチャー・コンサート 「Taking Sides」のDVDと劇団民藝の舞台公演を対比して お話: 渾大防一枝氏 「どちらの側に立つか」翻訳・劇団民藝公演演出 英国の劇作家Ronald Harwoodロナルド・ハーウッド作の戯曲「Taking Sides」(1995)は、1995年5月18日、英国チチェスターにあるミネルヴァ劇場での初演を皮切りに、欧米各地で継続して上演され、大きな反響を呼んでいます。 アメリカでも1996年10月27日にブロードウエイのブルックス・アトキンス劇場での初演以来、各地でくり返し上演され現在に至っています。又、ドイツ・オーストリアでもドイツ語訳で”Der Fall Furtwängler - Kategorie IV”として上演され、その一部はビデオでも紹介されました。 日本では、渾大防一枝氏の翻訳・演出で劇団民藝が1998年に上演し、その翻訳台本が早川書房から出版され(絶版)、かつて日本フルトヴェングラー協会から頒布された事があります。2001年には、ハンガリーの映画監督イシュトヴァン・サボーによって、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、ハンガリーの共同制作の形で映画化され、翌年のベルリン映画祭では銀熊賞を受賞しました。 フルトヴェングラーの第二時大戦後非ナチ化裁判の裏面史を描いたともいえるこの作品は、ユダヤ人である原作者の作劇法についての意見、また役者の選定(例えば映画化にあたってのフルトヴェングラーは完全なミスキャストと思われますが…)などの問題は様々あるものの、すべてのフルトヴェングラー・ファンにとって、一度は見ておくべき作品であろうと考えられます。 映画版は2002年にDVDとしてドイツのVCL Communications社から発売されましたが、日本では発売されず、またPAL方式Region2で作製されている為、たとえ入手出来ても、視聴が容易でない憾みがありました。 フルトヴェングラー・センターでは、当該のDVD及びこれを再生できるDVD機器を入手して、会員を対象に試写会を催す事を計画しました。ただ、全編字幕なしの英語であり、また逆にこの催しをより多面的に楽しめるものとする為、本邦上演を演出された渾大防一枝氏を講師としてお招きして、同氏秘蔵による劇団民藝での上演写真、記録ビデオ、これによる録音などを併用して、土曜の午後のひとときを、懐かしい東京文化会館の大会議室で過ごして頂く事といたしました。 なお、先般、Eメールアドレスを登録されている会員の方々にアンケートさせていただきました指揮者大町陽一郎氏によるレクチャー・コンサートは、実施の方向で、現在、同氏と具体的な詰め、ならびに会場の選定をおこなっております。決定いたしましたらご案内いたます。 日時等は次の通りです: 記 日付: 2004年2月14日(土曜日) 時間: 午後1時30分〜午後4時30分迄 場所:
東京文化会館(上野)大会議室 参加費用: 1000円(会場費その他実費) 又とない機会であると思われますので、多くの会員の方々の御参加をお勧め致します。 参加御希望の場合は、参加費用を次の要領でお振込下さる様お願い致します: 振込(申込)期間: 2004年1月19日から1月31日迄 郵便振込口座: (口座名義)フルトヴェングラー・センター (口座番号)10250-85640701 お振込の際、振込票の控えを保管され、当日入場券の代りとして受付に御提示下さい。 (また、お振込後、万一当日不参加となりましても、参加費用の御返却は出来ませんので、ご了承下さい。) 参考: 1.
原本 “Taking Sides” by
Ronald Harwood Dramatists
Play Service Inc. (ISBN 0-82222-1566-7) 2.
渾大坊一枝訳「どちらの側に立つか」 (早川書房『悲劇喜劇』1998年5月号収録) 3.
映画版シナリオ “The Pianist &
Taking Sides” faber
& faber (ISBN D-571-21281-6) 4.
DVD “Taking Sides –
Der Fall Furtwängler” ein Film von István Szabó VCL-56318
VCL Communications GmbH 5.
CD “Taking Sides – Der Fall Furtwängler” – Original Motion Picture Soundtrack Universal
Music 471 564-2 (なお、2002年カンヌ国際映画祭パルムドール(最優秀作品賞)受賞作で本邦公開時も話題を呼んだ「戦場のピアニスト」(原題「The Pianist」の脚本はロナルド・ハーウッドが書いた物です。) |